オフショア法人は、タックスヘイブンと呼ばれる税制上の優遇措置を提供する国や地域で設立される事が多く、その法人の銀行口座も設立された場所で開設されていました。オフショア法人が持つ銀行口座は、国際ビジネスにおいて非常に重要な役割を果たしており、資金管理や資産運用、そして税制対策など、多岐にわたる面で活用されています。例えば、円・米ドル・ユーロなど、複数の通貨で資産運用を行うことで、為替リスクを分散し、収益性を高める事ができますし、異なる国や地域の取引先とのスムーズな取引を実現してきました。しかし、現在は銀行口座の開設に係る審査が非常に厳しくなっています。これは、マネーロンダリングや詐欺などの犯罪行為や、過度な節税にオフショア法人の銀行口座が利用されていたことが主な要因かと考えられます。

そして、そのような犯罪行為や過度な節税の対策として、CRS(共通報告基準)とFATCA(外国口座税収強化法)の規制強化が、主な対策として挙げられます。FATCAとは米国市民もしくは居住者が海外に保有する金融口座の情報を米国政府に報告する制度ですが、CRSは、OECD(経済協力開発機構)を中心として、国境を越えた金融口座情報の自動交換を行う国際的な制度で、加盟する国や地域が非常に多くなっています。日本でも、2017年に国内法を整備し、翌2018年からCRSに基づく情報交換を開始しています。具体的には、銀行口座の保有者(法人・個人)の情報、口座番号、預金残高、投資残高、その他、金融機関によって定められた銀行口座の情報について、加盟している国や地域に所属する金融機関は毎年9月までに自国の税務当局に報告します。この情報は、参加国間の税務当局間で自動的に交換され、租税回避の早期発見・防止に役立てられています。また、さらにCRSはより強化される傾向にあり、報告対象となる銀行口座の情報範囲が拡大されていますし、CRSに基づく情報交換の対象となる個人・法人の範囲が拡大されています。そして、金融機関によるCRSのコンプライアンス体制の強化が求められています。そのため、これらはマネーロンダリングや詐欺などの犯罪行為や、過度な節税を防ぐのに効果的な方策となっています。

そのような現状の中でも、オフショア法人の銀行口座は、海外ビジネスにおける資金管理、資産運用、税務対策などに欠かせない重要な金融サービスを担っています。しかし、マネーロンダリングやテロ資金供与への加担等に対するコンプライアンスに関するリスクや、法令遵守の複雑性など、活用に二の足を踏む企業や個人も少なくありません。それでも、海外事業を成功に導くためには、オフショア法人の銀行口座の持つ利便性を最大限に活用することは不可欠です。資産保護や節税、為替手数料の削減といった、利用に伴うメリットをしっかりと理解し、意欲的に活用を検討することが重要です。

そのため、設立仲介を業務とするオフショア法人管理業者や、法律や財務の専門家のサポートを受けながら手続きを進めることが重要になってきます。特にオフショア法人管理業者はオフショア法人開設にあたっての情報を数多く持ち合わせています。この中には銀行口座の情報も含まれています。そのため、オフショア法人だけでなく、その法人が持つべき銀行口座もスムーズに開設できます。そして、その銀行口座の多くは、英語ができなくてもサポート会社経由で口座開設ができ、日本などの海外から郵送で口座開設(個人・法人)ができます。また、日本を含む海外で利用できるデビットカードが発行されることが多く、ネットバンクを使って海外送金や外貨両替ができる銀行口座も多くあります。さらに、米ドルでの普通預金や定期預金が可能で、金利が高い場合もあります。

オフショア法人銀行口座の開設には、大きなメリットもあれば、マネーロンダリングや詐欺などの犯罪行為や、過度な節税しているのではといっReputationalリスクを伴うことも多いに考えられます。オフショア法人銀行口座は、海外ビジネスにおける貴重なツールです。リスクとメリットを理解した上で、オフショア法人管理業者や法律や財務の専門家のサポートを受けながら、積極的に活用すべきです。