インターネットを活用した事業、特にFX(外国為替取引)や株の売買といった分野で、オフショア法人を設立する個人や法人が増えています。ここでいうオフショア法人とは、登記した国以外で事業を行う法人を指します。このようなFXや株式取引を主事業とするオフショア法人が増加している背景には、タックスヘイブンと呼ばれる国や地域での税制の優遇措置が大きく影響しています。タックスヘイブンは、その名の通り、税金(タックス)を回避する(ヘイブン、避難所)ための場所として知られており、ここで設立される法人に対して、非常に低い税率が適用されるか、場合によっては全く税金がかからないことがあります。
まず、タックスヘイブンでオフショア法人を設立する最大のメリットは、法人税の軽減です。多くのタックスヘイブンでは、法人が得た利益に対して課される税金が極めて低く、これによりオフショア法人は手元に残る資金を大幅に増やすことができます。法人税の負担が軽減されることは、特に利益を多く出している企業にとって非常に大きな利点となります。例えば、国内で法人税率が30%だとすれば、得た利益の30%が税金として徴収されますが、タックスヘイブンではこの税率が0%の場合が多く、こうした税率の違いが、オフショア法人を設立する大きな動機となっています。
次に、キャピタルゲイン税の軽減も重要なポイントです。キャピタルゲイン税とは、有価証券の譲渡から得られる利益に対して課される税金です。これもタックスヘイブンでは非常に低いか、全く課税されないことが一般的です。FXや株式取引は、短期間で大きな利益を上げることが可能な投資手法ですが、同時に大きな税負担が伴うことが少なくありません。特に、日本では株やFXの場合、一律で約20%の税率になることは周知の通りです。このように、リスクを取って儲けたお金に対して得た利益の一部が税金として引かれてしまいます。しかし、タックスヘイブンで設立したオフショア法人を通じて、FXや株式取引など、これらの取引を行うことで、キャピタルゲイン税を大幅に軽減することができ、最終的な手取り額を増やすことが可能になります。さらに、FXや株式取引で得た利益を再投資することにより、資産を増やすスピードを加速させることができます。再投資とは、FXや株式取引で得た利益をそのまま新たな投資に回すことで、雪だるま式に資産を増やしていく手法です。例えば、得た利益を再びFX取引や株式購入に充てることで、新たな利益を生み出し、それをさらに再投資するという循環を繰り返すことが可能です。このサイクルを続けることで、資産を効率的に増やすことができるのです。
このように、オフショア法人を利用することで、法人税やキャピタルゲイン税の負担を軽減し、得た利益を再投資して資産を増やすことができるため、FXや株式取引を行う個人や法人にとって、オフショア法人の設立は非常に魅力的な選択肢となっています。しかしながら、オフショア法人を設立する際には、各国の税制を十分に理解し、適切な法的助言を得ることが重要です。例えば、フィリピンの場合、利益に対するキャピタルゲイン税は非課税ではありますが、株式取引税(売却税)が課せられます。つまり利益に関係なく、株式を売買するなど取引をするだけで税金が発生します。また仮想通貨については、フィリピンでは所得税の対象です。また、日本で居住を続ける限り、オフショア法人の非課税という恩恵を受けることは出来ません。これは、日本のタックスヘイブン特別税制からくるもので、日本の税制によって課税されることになります。このように、誤った理解や不適切な手続きにより、思わぬトラブルや罰則を受ける可能性があるため、慎重な対応が求められます。
そのためにも、設立代行を専門とするサービスプロバイダなどからのアドバイスや協力が欠かせません。このようなサービスプロバイダは、インターネットを活用した事業、特にFXや株の売買といった分野で節税に適したタックスヘイブンの国や地の情報に長けているだけではなく、共通報告基準であるCRSが導入されていない銀行で口座開設や、オフショア所得が非課税の国や地域での滞在期間などのアドバイスなど、様々な節税に関するコンサルティングにも対応してくれます。